1. 分類不能

    名づけえぬもの -2-

    終わらぬ真夏の、あのまぶしい青年と出会って以来、神秘不可思議な状態がつづいている。いまのわたしを他人が見たら、異常という一言で片付けるだろう。じじつ、そうなのだが、わたしは幸福に包まれている。言葉をこえたなにかにひたすら没頭している。あの青年がいった「名づけえぬもの」が、わたしを魅了し、引き込んでいるのだ。個人的な問題に対する恐れや不安、悩み事への想念にさえ、興味を失っている。…

  2. 苦痛

    苦痛の克服

    (※以下、性質上、簡潔かつ平易に述べる必要があり、ある種の語弊を含まざるをえない)苦痛という感覚はよく知られているが、苦痛が解放への扉になりうること…

  3. 分類不能

    名づけえぬもの -1-

    わたしは川のほとりを歩いていたが、せせらぎの音も、みなものきらめきも、わたしには届かなかった。精神が処理しうる許容量を現実がこえるとき、人は言葉を失い、思考の去…

  4. 対話

    うつ病の息子を持つ母親 -2-

    「何の解決にもならなかった。くそいまいましい。おまえに教育を語る資格などあるのか。相談をもちかけた自分に腹が立つ。いい歳をして子供もおらぬ鰥夫に何が分かるのか。…

  5. 存在

    いつも少年黙ってる。生まれてこのかた言葉がない。年の頃なら六つか七つ。小さなからだで峻厳な山のぼってく。崖の淵にて腰おろし、朝から晩まで空の一点みつ…

  6. 対話

    うつ病の息子を持つ母親 -1-

    息子がいじめられているのだという。相談者である母親は、一人息子のために担任の教師を訪れた。勇気のいることだった。旦那は仕事の忙しさを理由に一緒に来ることを拒んだ…

最近のコメント

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP