エッセイ

  1. ある老夫婦の会話

    山の藁屋に住む老婆が、扉の外で、椅子に腰かけている。孫娘は、花を摘みに、たくさんの友達がいる谷へとおりてゆく。老婆はいった。「しばしのお別れだ。…

  2. 離別

    さようならを告げよう。やさしくなごやかな歌、天衣無縫の国、明るく快活な色彩、ゆかしい手のひらに包まれた時代。たくましく、高潔であったきみの均整をゆがめ、あら…

  3. 星空のヴェール

    白ゆりの花を愛したきみが、いまなぜ夜叉の仮面をつけているのか知らない。憤怒に口を歪め、肩をいからせ、背中に般若の思想を描き出し、おのれに逆らうもの、おのれの価値…

  4. 首吊り人

    何を恐れているのか、ひどく汗ばんだ額が、ぼくらの知らない恐ろしい日の光によって照らされている、森にさようならを告げようか、弱者よ、ぼくらには、探求への動かしがた…

  5. 友人へ

    できるかぎり平易に書きたいと思っている。しかし友よ、時間は十分にあるのだ。子供時分、ぼくらにとって、あらゆるものが生き生きと神秘にみちていたことを思い出…

PAGE TOP