パワー

弟子の有能さと盲点

「弟子はまた、一般の知識人と比べて非常な速さでメンタル的に調整統合された状態で働く能力も獲得する。このようにして、彼は時間という限定が脳の状態であることを学び、それをどのようにして打ち消し、一般の人がいかに熱心に努力してもできる以上の多くのことを制限時間内に行う方法でどのように働けばよいかも学ぶ。時間の克服と霊的な速度は、弟子道の二重生活がパーソナリティーの統合された生活に取って代わりつつあることを示すものである。とはいえ、そのこと自体がさらに偉大な総合と高位の統一につながるのである(光線とイニシエーション下 p.22)」

ビジネスの騒音のなかでのたゆみない瞑想は往々にして困難である。瞑想に習熟し、魂に諸体を整列させ、自我というものにますます関心がなくなっている弟子にあって、彼がおのれを掴んでおり、自己の弱点から目を覆うことなく(あるいは弱点を裂け目に眠りにつくことなく)、高位我(魂)に誠実に刻々の自己統御を行わないかぎり、大いなる盲点を突かれて、彼は瞑想の高みからまたたくまに落ち、極度の苦痛を伴う暗い奈落の季節をすごすことになるか、その期間が長ければ長いほど致命的なため、おそらくは自殺してしまうだろう。

瞑想に習熟している弟子が、もしビジネスの世界に身を置くのであれば、まず間違いなく、一般的な人々に勝ち目はない。弟子は信じられない速度でものごとをこなし、誰をも差し置いて抜きん出る。彼は魂のエネルギーで満ちており、はるかに力強く、創造的であり、低次のヴィジョンに惑わされることがないため、世の中の才能あふれる人には雇われないだろう。みずから考え、ことを起こし、強力な意志と集中の暴力であらゆる難題をこじあけ、次から次に出てくるアイデアを静かに取捨選択し、魂の観点から優先順位をつけ、魂に固有の誠実さゆえに真のビジネスを創造するだろう。このとき、世の中の物質主義者から邪魔者とみなされ、命すら奪われかねない立場にしばしば身を置くが、真の弟子がこの手の恐怖に屈することはないだろう。

弟子は場合によっては巨額の富をわずかの期間で手にすることになる。これは一つのテストになるだろう。ただし、彼が相応の弟子であるならば、自分のための金銭というものには興味がない。あるいは、金銭が刺激をもたらすあまたの堕落的な欲求とイメージに対して、つまり低位のアストラル・フォースに対して、それと同等に自己を振動させることを確実に拒む。なぜなら、エネルギーの扱い手でありエネルギーそのものである弟子において、精神の静けさが乱れることは何より耐えがたい苦痛だからである。

しかし、弟子は完璧ではないため、どこかに弱点と盲点がある。ひとたび、その気づきにくい裂け目から欲求のフォースの侵入を許すのであれば、落ちるのは速い。じっさい、多くの弟子が繰り返しの堕落によって多くの苦痛から必要な智恵を学び取る。場合によっては、極度の苦痛のためにその生涯は自らの手によって閉じられる可能性もないわけではない。なぜなら、魂との接触、純粋な感受性、瞑想のテクニックなどが、徐々に、そして知らないうちに(実際は自分で自分を欺しているだけなのだが)、失われてしまうからである。

あやまちに気づくまで、どれだけの時を要するかは彼の進化段階と運命にかかっている。いずれにせよ、苦痛に打ちひしがれて、這々の体で、瞑想の恩寵を受けうる地点にまでに戻り、何とか帰還のきっかけを内的に掴んだとしても、贖罪にかかる年月とカルマの精算には困難きわまるものがある。だがふたたび以前の位置までおのれの諸体を浄化することに成功するのであれば、それはそれで強靱かつ揺るぎない魂の力を以前にもまして得ることになる。ただし、ふたたび同じような試練の時期が来ることを忘れてはならない。それは不意に、予想をしないかたちで訪れる。いかに不断の瞑想が重要であるかが分かるだろう。

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